アマゴの発眼卵の放流を行いました。2017.11


2017年11月29日、炭焼の杜キャンプ場の前を流れる渓流に、「アマゴの発眼卵(孵化直前の卵)」1万匹の放流を行いました。

天気も良く、色づいた葉っぱが舞い落ちる中、順調に作業を行うことができました。

炭焼の杜明ヶ島キャンプ場は、2017年今期、予想を上回る入場者をお迎えすることが出来、11月末で冬季閉鎖を迎えます(ライフラインである水道が凍ってしまうためです)

2018年、来春の再会に向けて設備を補強すると共に、炭焼の杜キャンプ場の前を流れる渓流に、「炭焼の杜 フライ・テンカラ キャッチ&リリース専用管理釣り場」を作ります。

横を流れる川に魚を保護し、増やす目的の為のアマゴの自然渓流で完全キャッチ&リリースの釣り場を作り、魚を保護し、子供たちに生態系の大切さを教える場を作ろうという活動を始めました。

大人達は、楽しみながら釣り、一匹も魚を殺さない、逆に釣りをすることで、魚を保護し増やす基金に協力する仕組みを作ります。
子供たちは、魚を放流したり、時には自分でフライで釣り、自然のサイクルを学び、「奪わず、護る」自然との付き合い方を学べる場です。

そのプロジェクトの呼び名を「炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場 魚の頭を踏んで歩くプロジェクト」と名づけました。
(当プロジェクトの趣旨や願いはこちらをご覧ください)

その話を掛川で話したところ、JFFのキクチさんが協力してくださり、先日、ジャパン・フライフィッシャーズ(JFF)の名誉会長の佐藤盛男様に炭焼の杜キャンプ場に来訪頂き、魚を自然渓流の中で増やす為の発眼卵放流のやり方のレクチャーと現地を視察して頂きました。

直に素晴らしい先達である佐藤様に教えを請う機会を頂き、本当に貴重な経験をすることが出来ました。

今回の放流では申請書を出し、バイバードボックスの使用許可を無事いただくことができました。

このボックスが卵が稚魚になるまでの間、カニなどの敵から保護し、ゴミが入るのを防ぐ役割を果たします。

1つのBOXに卵が500個になるように分け入れます。


ボックスをかごに入れ、周りに小石を敷き詰め、先日、視察の時に指導のもと選んでいただいた場所に、流されないようにしっかりと設置して完成です。


無事に成長してくれることを願いながら、川を後にしました。

発眼卵放流のメリットとして、このようなことが挙げられます。

・卵から川で育つことで、より自然に近い環境で育った魚を増やすことができます。

・卵の栄養をすべて取り込んだ魚だけが、バイバードボックスを抜けられる仕組みになっているため、外敵から守られながら成長し、川に出ていくことができます。

設置した卵は、1ヶ月ほどでボックスから出ていく予定となっております。

魚を護り、「魚の頭を踏んで歩けるほど」の川にするためには、一年や二年では出来ませんが、こうして夢見たことを実現して行くスタートを切れたことは本当に嬉しいことです。

私たちが釣りを楽しんだり、川で遊ぶことができるのは、きれいな川が残っているからこそです。将来の自然のために、今出来る事を実行していくということは、とても大切なことだと思います。実際に放流を体験してみて、自然を守っていきたいという気持ちがより強くなりました。来年に魚の成長が見られることを祈ります。

多くの方にご協力いただき心から感謝いたします。
また、今後ともこのような活動にご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

アウトドアの学校 2017 第四期 – 第三回体験登山の様子について

11/25(土)アウトドアの学校 第三回目は体験登山です。登山と言っても辛いものではありません。

「頂上を目指さない 富士山さんぽ」の著者、鈴木渉さんの案内による気持ちのいいハイキングの様子を、キタザワがレポートいたします。

■5:30
掛川市役所集合

登山の朝は総じて早いものですが、この日も真っ暗な時間から集合です。

今日への意気込みか、「おはようございます」の声も力強く聞こえる気がしました。

ここから講師・スタッフの車3台に分かれて水ヶ塚駐車場へ向かいます。

日が昇り、富士山の姿が車から見えたときの「きれい!」「上は寒そうだね」と期待がふくらみます。

■7:30
山宮浅間神社

浅間大社の元となった神社で今日の無事を祈ります。

階段の上まで登ると奥に富士山の姿を見ることができ、写真を撮っている生徒さんもいました。

講師の渉さんが、神社の石の由来なども教えてくれました。

■8:30
水ヶ塚駐車場に到着

現地集合の生徒さんはここから合流です。

駐車場から見える、青空に浮かぶ富士山に「ステキ!」「大きい~!」「きれい!」と、不安よりも楽しみな声が聞こえてきます。

■9:15
登山口で説明を聞いた後、いよいよ登りはじめます。

登り始め早々にやまぶどうを見つけ、みんなで一粒ずつ食べながら「すっぱい!」「うめぼしよりすっぱい気がする」と感想を言い合います。歩いていて「きもちいい」「空気がいい」という声がありました。

霜柱も立派で「これはどうやってできているんだろう」「なんだか食べたいね」「鍋に入ってるアレみたい」と盛り上がり、写真を撮っていました。

ゆったりと散歩するように登ります。ほとんど横移動で、傾斜がきついところはごく僅かなので辛くありません。

講師の渉さんが、山の植物の豆知識や、見落としてしまうような場所にある大きなつららや、場所についての説明を、時々止まりながら聞かせてくれます。

写真を撮るために止まることも何度もあり、皆さん疲れることなく前に進んでいました。

まつぼっくりや曲がった木の枝、入浴剤のにおいがする木の葉っぱが、前の人から回ってきて、「これはなに」「ほんとに匂いがする」「これはレモンみたい」と、楽しげな場面もありました。

不思議な形の倒木の前でも「ひつじがいる」「リャマじゃない?」と、立ち止まってまじまじと観察をします。

みんなで何にも音を立てずに、山の無音を楽しんだりもしました。

■10:40
小休憩

リュックをおろして、軽く休憩です。チョコを回したり、柿ピーについての話が聞こえてきましたよ。お菓子についても「でもお高いんでしょう」のワードを聞く事が出来ました。

歩いている途中には、道具の説明もありました。ストックの正しい持ち方、紐の持ち方で腕の疲れが全く変わること。高いストックと安いストックの機能の違い。ハイドレーション(ストロー付の水筒のようなもの)の正しい使い方。

なんでもすぐに聞けるのがアウトドアの学校です。

■11:30
ちょっと早目のお昼です。

山ではおいしいカップラーメン、お湯を入れるだけのカレーや温めるだけのご飯、手作りのお弁当、フリーズドライの豚汁についておいしさを語り合ったりしました。

カメラ講座の不思議写真を休憩中に教わりながら、技を身に着けている生徒さんもいましたよ。

■12:20
歩き始め

山で必須の地図について、講師の渉さんから説明がありました。地図にもいくつか種類があり、見ないと覚えないこと。見て慣れていくことが大事だということです。

しばらく歩いてから、四辻への傾斜を登ります。森林限界に向かうためどんどん木が低くなっていきます。

「ここでみなさん振り返ってみてください」

その言葉で後ろを見てみると…

■13:20
四辻に到着!

伊豆半島から房総半島まで見渡せる、高いところに来ていました!

数秒眺めて広い場所に移動したら一休み。同じ景色なのにステキすぎてシャッターを何度も押したり、動画を撮ったり、みんなで寝転んで空を見てみたり…

「背中で富士山を感じてみたい」今回の名言です。

実はこの日の2日前に講師とOGの方々が同じ場所に来ていましたが、ガス状態で右も左も真っ白でした。山の天気は差が激しいですね。

「一昨日の動画を見て身構えていたけれど、今回のコンディションに口角があがりっぱなしです!」との声もありました。

みなさん座ったり寝転がってみたり楽しく話したり、もっとここにいたい!という雰囲気でした。

■14:10ごろ
そろそろ下山

下りでも、木についた鹿の角のとぎ跡を見つけたり、周りを見つつ歩きます。

私のCチームでは、さわり心地のよいコケを見つけるべく色々なコケをさわりながら「これはフカフカでいいね」「こっちは固い」「隣にあるのに固さが全然違う!」と、盛り上がっていました!コケにもいろいろありますね。

途中小休憩をはさみ、ゆっくり下山しました。

■16:30
水ヶ塚駐車場

同じ場所までぐるっと歩いて戻りました。最後は全員にハイタッチ!皆さん無事に帰ってくることができました。

駐車場から見る富士山は、夕方の光の中、どっしりとした影ができて力強く見えました。

■19:30ごろ
掛川市役所 まとめ、解散

今回の登山の感想です。
「楽しかったです」
「幸せでした」
「めちゃくちゃ楽しかったです」
「良かったです」
と、皆さんにっこりしていました。

最後に講師からこんな話がありました。

山は、楽しみ方を教えてもらう人がいればこそ楽しいものです。何も知らない状態で行っても、ただ道があるだけ、野原があるだけ。誰に教わるか、どう楽しむかで変わってしまいます。

また、仲間と登るということも、より楽しむための方法です。一人で登る良さはもちろんありますが、仲間と一緒だとより楽しくなることがたくさんあります。

素晴らしい天気でしたが、これが山を好きになるきっかけになってくれたらうれしいです。

アウトドアを楽しむことが人生を楽しむ方法の一つになってくれたらと思います。

今回はとても運のいい快晴での山歩きを体験でき、たくさんの歓声を聞く事ができました。

「こんな景色を見れることは一生に何度もないと思います。」この言葉通り、かけがえのない体験だったなと思いました。

「楽しい仲間と登れたこと」「何気ないことから見つけ出された新しい発見」「教えてもらったこと」「見たという事実」

得られたものがいくつもありました。

2017/08/25-26 椹島 大井川フライフィッシング研修【オオバ】

8月の25日・26日と、さわらじまの山小屋に泊まり、大井川源流特定区釣り場でのフライフィッシングに連れて行って頂きました。今回のメンバーはマツヤマさんとキタザワさんそして私オオバの3人です。キタザワさんは今回が初めてのフライとなります!

まず、出だしから驚いたこと。
静岡県にある「つの」の秘密。

↓この部分

どうしてこんな形をしているのか。
地形の問題かと想像しましたが、違いました。理由は、この場所がかつてとある人物の所有地だったからなのです。

起源はこうです。(特殊東海製紙株式会社HPより)
明治28年、東海製紙の創業者『大倉喜八郎』が、酒井家からこの土地を購入。購入後ただちに山林調査を依頼。その結果豊富な森林資源・水資源を有する事が判明。木材資源と大井川での水力発電を組み合わせた事業が東海製紙(現:特殊東海製紙株式会)の起源となった。

つまり『大倉喜八郎』が購入し、現在では「特殊東海製紙株式会」の社有林であり、完全に民間が管理している土地(そして山小屋・管理釣り場も)なのです。ちなみに、日本国内で民間が所有する1団地としては最も広く、東京のJR山手線で囲まれる面積の4~5倍に相当するそうです。

これだけの広大な土地を、民間企業が管理しているという事。そして雄大な自然を保護し、多くの登山客の出発点やベースになっているという事実に大変驚かされました。
静岡県の「つの」にこんな事実があったなんて。世界は、まだまだ私の知らない事だらけだと感じました。


朝の3:00にMDを出発し約4時間。
更にバスに乗り換え、約1時間。
ようやく到着したと思ったら、謎の山ルールにより10分で支度をさせられ、大急ぎで川へ向かう慌ただしい事態となりました。

私は、フライ=広河原(野呂川)というなんとも贅沢な経験しかなく、今回初めて大井川での釣りとなりました。

マツヤマ師匠曰く、今日の川は渋いとの事・・・

大きな魚はなかなか出てきてくれませんが、ちいっちゃなアマゴがぴょこぴょこ出てくれました。
私はアマゴとは初対面。軽くて手ごたえが無く、合わせるのがなんと難しい事か・・・。
イワナでさえ苦労している私にとっては、
とても難易度が高いものでした。
それでも、失敗しても何度も遊んでくれるアマゴさん。

ついに、合わせることができました!

こちらはフライ初体験のキタザワさん。マツヤマ師匠にマンツーマンで教えを乞うております。
意外と負けず嫌いなキタザワさん、頑張りつづける事数時間。
初フライにしてなんと!

1匹ゲットです!

フライフィッシングは、魚が釣れなくても面白い釣りだと思っています。渓流につかり、自然の中に溶け込むという感覚自体が、すでに素晴らしいものなのです。
しかし、やはり1度釣れてしまうとその楽しさ、ワクワク感は何倍にも膨れ上がるように思います。

初めてのフライで釣れたキタザワさん。
これからもフライを好きになってくれたら嬉しいです。

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2日目は少し残念な天気でした。
早朝はザーザーとなかなかの大雨。
降ったりやんだりと不安定な天気。
川に降りてみたものの、特に反応もなし。

そんな中湯を沸かし、コーヒーを飲む。
どうしようもない時は、ただ待つ。
そこにコーヒーがあれば、
ちょっと贅沢に過ごすことができる。
そんな時間を、みんなで過ごせてよかったです。

結局この日はマツヤマさん以外、私もキタザワさんも魚と会うことはできませんでした。
それでも、私にとっては初めて入る川、初めて出会った魚。ついでに、山小屋に宿泊するのも初めての経験でした!
3つも新しい経験が出来た、意義のある研修になりました。

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帰り道にある『奥大井湖上駅』。
湖の上に浮かぶように存在する駅。
「秘境駅」に数えられたりもします。

新しい場所に出掛けると、目的地以外でも、今まで見たことのないものに出くわすことができます。それも、外に出ていくことの楽しみだなと感じます。
生きている間に、
いったいどれだけの景色を見ることが出来るのでしょうか。

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最近よく思う事は、
自由に好きな事ができる時間には限りがある、という事です。
子どもの頃は親の影響が大きく、
学生の間はお金が無かったり、
社会人の初めの数年は仕事に追われ、
子どもを持つと自分だけの時間は大幅に少なくなります。
そして子どもが巣立った時には、
いったいどれだけの体力と時間が残されているのでしょうか。

だから自由に色々な所に行ける今の私の状況は、限られた特別な瞬間だと思うのです。
正直今回も、仕事もあるし辛いかも、行けないかもと思いました。実際に前日までに仕事を詰めて終わらせてバタバタと過ごす事になりました。

それでも今、行くべきだなと思ったのです。行動を起こせるうちに、限られたこの時に、多少頑張ってでも、できるだけ色々な所に行き、
色々なものを見たい、
見ておくべきだと、そう感じます。

今までに見てきたもの、体験してきた事が沢山あればあるほど、その人は魅力的に見えますし、会話にも仕事にも生活においても、多くの引き出しを持っているなと感じます。
私の箪笥はまだスカスカで穴だらけですが、小さな引き出しを一つひとつコツコツと、作っていっている状態なのかと思います。

どれだけの大きさの箪笥に成長できるか分かりませんが、
めぐまれた状況にいる今この時に、
出来る限り行動していけたらと思います。

今回もきっかけを下さったマツヤマさん、
一緒に冒険してくれたキタザワさん、
お仕事をフォローしてくださったMDの皆さん、あと、代わりに掃除と洗濯をしてくれた旦那様、本当にありがとうございました。

オオバ

2017/8/25ー8/26 フライフィッシング研修 【キタザワのレポート】

8/25-8/26静岡県の角のあたり、椹島ロッジに一泊し、大井川でフライフィッシングをしてきました。

「そろそろキタザワにもフライを教えようかと思うんだけど」と、マツヤマさんが事務所で一言、ついに私も初フライをやることになったのです。

まずは本を読みなさいとのことで、事務所の本棚から冊子を持ってきては見たものの、はっきり言ってよくわからず、タカノさんにこんなのがいいんじゃないかという雑誌を教えてもらい、ぱらぱらと読みました。釣りというだけでも、自分でやった経験がなく、小さい頃に父と海釣りに行って横で見ているくらいの知識しかありませんでしたが、なんとか釣れたらいいなという気持ちで、準備をしました。

フライフィッシングは、生のエサではなく、虫のような毛針を使って魚をとります。今回、マツヤマさんから出された目標の1つ「フライを無くさないこと」
マツヤマさん、タカノさん、オオバさんが、前日にフライを作るのを見ながら、デザイン会社で、キャンプ場の仕事をしているとはいえ、なぜ研修でフライフィッシングをするのかを掴みたいと強く思いました。

3:00 マツヤマデザイン集合
同じ静岡県ですが、椹島ロッジに向かう7:30初のバスに乗るためには、早めにいかないと間に合わない!とのこと。山奥へ向かいます。

ロッジに向かう車の中で、イワナの種類のこと、川と暮らしのこと、ダムが作られたことによる影響、漁業組合とはなんなのか。静岡県は地図で見るとなぜ角があるのかなどなど、マツヤマさんから教えてもらい、自然を守っていくことについて考えつつ…



途中景色のいいダムの上で休憩し、どんどん山の方へ。


この道が落石で通れなくなったらずーっと遠回りしなければならないし、2本しか道がない。という、がたぼこくねくねな道を進み、やっとバス停へ。


バスに乗ってから1時間ほどで椹島ロッジにつきます。車酔いも山と言えばつきものです。酔い止めを準備しておけばよかったと後悔。北海道の釣り場よりも行くのに時間がかかる静岡の山の中、まだまだ知らないことはたくさんありますね。

ロッジについてからのんびりする計画がマツヤマさんの脳内にはありましたが、「10分で支度してください」と驚きのスケジュール。バスの予定の関係で、準備をしたらすぐ出発し、

バスで10分ちょっとの管理区画で、
いきなり川辺からスタートです。

フライフィッシングを見るのも今回が初めての私は、習うよりもまず見学から始めたのですが、

こんなにも「やってみなければわからない。」が詰まっているものだったとは知りませんでした。実際に見るまでは、フライをビュンビュンビュンと回して、それを遠ーくの方に投げたらそこでしばらく待って、食いついたらググッとひっぱってとれたーって感じかな。などと考えていましたが、全く違いました(ちょっと考えればそうですよね)。
川の流れは緩やかと急なところが交互にあり、その中でも魚がいそうなポイントに投げては流れ、投げては流れの繰り返し。魚が食いついた瞬間にあわせて引っ張らないといけないという高度なテクニックが要求されるものだったのであります。

フライパターンも様々で、そのつど変えるそうです。

1日目はいつもに比べて、釣りにくい日だったようです。それでも何匹かキャッチしたマツヤマさん。

にっこり。模様がきれいです。

オオバさんもアマゴとイワナ、合わせて3匹をゲットしていました!

魚がぱくっときたら楽しくて、取れなくて悔しいのになんだかうれしいし、釣り上げられたら本当にうれしい。魚はびっくりして痛いかもしれませんけれど。

道具が全部そろっていても、リールを付けて糸を結んで、投げ方にもコツがあるし、ちょっと気を抜けば全然違う投げ方になってしまうし、場所が違ったら魚がいない。魚がいても、お腹が空いていなかったら来てくれない。水が多かったら奥深くに潜ってしまう…。時間も、気候だって良くなくっちゃいけない。こんなふうに投げる。こんなところに投げる。やってみなければわからない。教えてもらえるからこそできること。それがフライフィッシングにはたくさん詰まっていました。

仕事もそういうものなのかもしれません。話し方、順番、コミュニケーションにもたくさんの作法があって、コツがあって、すぐに道をそれてしまうけれど、教えてもらって、少しずつ学んで、やってみなければわからないけど、やってみることのなんと前向きなことか。もちろん無謀に進んだりするのは全く正しくなくて、どんどん聞いて教えてもらえばいいんです。別の機会に、自分が教えてあげたり、誰かに渡していけるものがあれば、とても素敵なことですよね。

フライは、何ケタもある数字ロックの南京錠に似ていて、すべてが合わないと釣れない。しっくりくる説明で1から教えてもらいました。

Study to be quiet.
焦ってもうまくいかないこと。自然にあわせること。

とにかく初めは何をするにも難しく、これで大丈夫なのかという言葉ばかりが浮かんできましたが、「慣れ」が必要だと言い聞かせてがんばりました。

竿と糸のまとめ方から始め、狙ったポイントにフライを投げる練習を繰り返し、いざ勝負。

場所から何からすべてを教えてもらい、「釣れるよ、がんばれ」との温かい言葉もいただき、初めての一匹をゲットしました!アマゴです!!

取れた瞬間に思わず、ぐいっと引っ張って後ろの岩まで飛ばしてしまったので、ぶつかってしまったアマゴさんにはごめんねと言いながらも…釣れるって感動的ですね。言葉にはできません。


私もイワナをキャッチしてみたかったのですが、なかなかうまくいかず…次の目標になりました。

数が減ってしまっているヤマトイワナとこのきれいな川。自然と人間のこれからの生き方。大きいイワナはいい場所にいるというごくごく当たり前だけれど見落としてしまいそうなこと。

ちょっとした裏話を聞くと、考えることが増えてよりおもしろいですね。

バスの運転手さんにきいつりふねという、生え方がふしぎな花について教えてもらいました。

1日目はあっという間に過ぎていき、山小屋でおいしいご飯を食べお酒も飲みました。

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2日目、雨の音の中起床。近場で釣ろうかという案もありましたが、運良く小降りになったのでまた管理区画に出かけることにしました。雨が降ったため川の水が増えてしまい、1日目よりもさらに厳しいコンディションとなり…

「待つしかないとき」を知りました。

静かに思えても、ちょっと離れると声が聞こえないほどの水が流れている川辺で、「こうして見ると川ってきれいだねぇ」とマツヤマさん。
朝早くから川に入って疲れましたが、癒された気がします。

2日目には私は残念ながらなにも釣れませんでした。

しかしながら、フライも無くさず、
充実した2日間を過ごすことができました。

「忙しいのに釣りに行っている人は、この期間しかない!という気持ちで、仕事をどこかで詰めていっているんだ。決して遊んでいるわけではないんだよね。」

これからも新しいことにチャレンジしていく気持ちと、テレビやネットや、誰かの知識ではなく自分で体験するということを大事にしていきたいと思います。ありがとうございました。

以上、キタザワのレポートでした。

蔵王 お釜を見に登る登山 蔵王刈田リフトから熊野岳 登山の準備と必要物

蔵王 お釜を見に登る登山 蔵王刈田リフトから熊野岳

2017年8月、静岡県から車でドライブし山形県まで、雑誌や写真で見た蔵王のお釜を見る為に登山支度を整えてチャレンジして来ました。僕の登山は登山歴こそ20年ですが、歩くスピードは、ほぼ地図に書かれているタイムコース通りか、もしくはその1.5倍程度、ゆっくりゆっくり休憩しながら、写真を撮りながら登ります。初心者の方や初めて行く方の参考になれば幸いです。※この記事の末尾に僕が今回持っていったグッズや着た服を記載しておきました。8月の半ばに行く方は参考にして下さい。

2017.08.13 朝10:35 蔵王エコーラインを走り、蔵王刈田リフトに乗る。駐車場は無料、広い駐車場はお盆のタイミングでしたが10時の段階で50%ほどの駐車、チケット往復680円を購入し、意気揚々と挑みます。

昔懐かしいリフト、一人乗りです。途中、記念写真を撮る人がいて半ば強制的に、笑顔を求められて写真を撮られます(後で売られる)。鳥取砂丘にもあったけど、あれはいかがなものか…

看板で今回のコースを確認、リフト下り場→刈田岳→お釜鑑賞→熊野岳というコース予定

リフトはゆっくり進みます、しかし歩くことを思えば天国!いいねぇリフト登山。僕は好きだなぁ。

振り返れば、もう駐車場があんなに小さい

けっこうな斜度です。

リフト終点に到着、10:45

曇っていて涼しい、18度です。この日は曇っていたからちょうどいい温度でした。そのころ、平地では30度前後の夏日です、東北、山最高。

リフトから下りても曇り、山の向こう側もガスです。というより雲の中か

遠くに刈田岳が見えます。まずはあそこに行こう

道はこんな感じで、なだらか

進むと人だかりが、あそこからお釜が見えるのか?

たくさんの人が群がっている

おおお!なんか見えた!あれがお釜か!

緑やんけ!

想像より、大きくて、広くて、そして遠い

お釜を見ながら刈田岳を目指してトコトコ歩く

左をチョコチョコ見ながら、写真撮りながらだから意外と時間がかかるこの時点で11:02、もうリフトを降りて15分経過している

あっという間に雲(ガス)がかかったりサーッと晴れたり。

11:13刈田岳の上にある「刈田嶺神社・奥宮」に到着。お参りをしました。11:13

なにげに、この神社から見るお釜はベスポジではないかと思う。

熊野岳方面はガスで上が白い、この時点では行くか止めようか悩み中

しかし、本当に凄いところにある、噴火口に水がたまってると言えばそれまでだけど、それにしてもスゴイ。

一度リフト方面に下りて、レストハウスがあるので入る、するとレストハウスの裏手はすぐに駐車場で観光バスが一杯止まっているのでびっくり

お腹が減ったので山菜ソバを食べる、なかなか美味しい。

ソバを食べていたら熊野岳方面が晴れてきた、行くことにする

熊野岳を目指すには一度上げた標高を下げねばならぬ、ちょっともったいない

リフトから合流したところに戻って、お釜を回って歩く

角度によって見える色や迫力が違う

なかなか見飽きない、オジサンが本気カメラを三脚で構えて写真を撮っている所を歩く、息切れがして来た

気付けば観光客はいなくなっていた、本気登山的な世界だ

ガスが出てきて、お釜が見えたり見えなくなったりする

しかし、熊野岳方面の空は青いのでなんだか勇気が出てくるのだった

いいなぁ、夏の道だなぁとテクテク歩く

気付けばお釜は小さくなっていった

後で気付いたのだけど、さっき登った刈田岳の標高1,754 mと、今から登る熊野岳の標高標高1,841mは少ししか違わない、でも、その間は下がっているから、一度下がってまた登るという道なのだ。しかも地味に遠い。

つまり、刈田リフトを上がって合流した所(1710m)から刈田岳1,754 mと登り、また1710mに下り、そして1841mの熊野岳に登るというわけ。
標高差が+-44mと+-130mこうして数字で見ると少ないので、広河原から北岳に登るとか考えるとイージーなんだけどね…横移動がけっこうある。僕がいつも登っている八ヶ岳や北、南アルプスと違って東北の山は森林限界が低いから1700m付近でも森は無く見渡す限りの景色になるのでそれはそれでワンダホーなのであるが見えてるところまで行くのが遠い!これが僕の感じた東北ショックであった。

お釜の縁に落ちそうな岩

道にあった昔のジュースの空き缶。こういうものが今も出てくるって、ゴミを捨てるって罪深いと思う。

かなり歩いた、12:31刈田岳が遠くに見える。

一度下がっているのが分かるだろうか?じわじわ足に来る

熊野岳の向こうにはサワヤカな青空が広がっている

お釜方面は曇ったりガスったり

前をみたり、後ろを見たり、写真を撮りながらトボトボ歩く

ついに山頂に到着!12:49。山菜ソバを食べていたのが11:40だから約一時間近くかかった計算になる

熊野岳山頂にある祠でおまいりをしてあたりを見ると、高山植物がたくさんある

コマクサはっけーん!

咲き終わっているものもあったけど、綺麗に咲いている花もある。これ、アルプスだと保護の為に柵やロープがあるけど、蔵王にはそんなものは無く、登山の人が悪気無く踏みつけちゃわないか心配。

あっという間にガスの中

これ、もう少し天候が悪ければ遭難できるレベルのガスです

少し肌寒くなるけれど歩いている間は大丈夫

避難小屋発見

うむむ、もしもの時は頼むぞ

帰りは違うルートを歩こう

コマクサまたはっけーん

かわいいねぇ

なんだかわからないけど、綺麗な草はっけーん

つぶつぶ

お釜のほうに戻ってきた

おお、今度は綺麗に見えると、思ったらガスが

振り返れば青空が(こればっか)

でも、数分でまたガスが出て

その数十秒後には晴れて

見飽きるまで見てから下山

さあ帰ろう

リフト方面への分岐まで戻ってきた13:43。この場所から見ると、ちょいと散歩のつもりで行った刈田岳もある程度高い所にあったことにいまさら気付く、あそこを一度登って下りてきて、また行ったのね。

リフトを降りたら「玉こんにゃく」が鍋で美味しそう…

もちろん購入

カラシを付ける

リフトを見ながらコンニャクを頂く、

うん、カラシ付けすぎたかも。

14:00 無事に駐車場まで降りてきました。

用意した道具

30リットルザック(黄色のサロモン) レインウェア上下(ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE) RAINTEX Plasma(レインテックス プラズマ)) 水1リットル(500mlはペットボトル残りはプラティパス)寒くなったときの為の予備防寒着(モンベル ライトシェルジャケット)、ザックが空いてたのでめちゃ寒くなってもいいように温かい服(パタゴニア ナノエア)
※結果レインウェアとライトシェルとナノエアは使用せず)

着ていった服

パンツ(モンベル リッジラインパンツ)、ベースレイヤー(パタゴニア キャプリーン薄手
※2011年くらいに購入したもの)、Tシャツ(モンベル ウィックロンのプリントしてあるやつ)
靴(モンベル テナヤブーツ)

※はじめての場所だったので一応、「何かあっては…」と靴も本気モードをセレクト、結果着たままで帰ってきました。蔵王刈田リフトから刈田岳山頂までは、サンダルの人もたくさん歩いている観光地(北アルプスの上高地のお散歩コース的な道、水溜りはあるけれど基本歩道で、登山靴は不要でしたが、お釜をぐるっと回って熊野岳まで、となると道も登山道になり、傾斜もきつくなるので用意して行って良かったです。

2017南アルプス北岳登山口「広河原」一週間テント泊研修 【マツヤマのレポート】

ここ数年、株式会社マツヤマデザインでは、夏に「社員研修」という「旅」をすることにしています。

最近では、2013年に社員全員で北海道、2014年にはアメリカ・青森、2015年には八丈島と北海道、2016年には、ニュージーランド・ハワイ・北海道と多岐にわたります。

時々、FBやブログ、公式ホームページなどを見て頂いた方に声を掛けて頂きます。人によりさまざまですが大きく分けるとその声は二つです。
「いいなぁ」や「豪華で楽しそうだね」という、うらやましいなぁ的なお声と、「良い事やってるね」や「良い会社だなぁ(笑)」という、ガンバレヨ的な応援の声です。

時々、勘違いをする人は、そんないっぱい観光旅行にいけて、骨休みしていいなぁオイ。と妙に羨ましがって頂いたりすることもありますが(笑)

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僕は、この研修を、株式会社マツヤマデザインの中での大切な骨子のひとつを作る「体験する学びの場」だと考えています。

人は、いつ「学び」「勉強する」ことを止めるのでしょう?学校を卒業した時?新入社員では無くなった時でしょうか?僕は会社こそが最終的な「学び・教育・成長」の最後の砦かと思っています。

株式会社マツヤマデザインはデザイン会社です。創造し、制作し、納品する。その多くのパートはパソコンやソフトだけでなく、そこで働いている「人」に起因すると考えています。

とすれば、昨年よりも、今年度は良い成績を収めたければ、働いている「人」が昨年よりも成長しないことには難しいのです。

僕の尊敬する表現者の一人に宮崎駿さんがいます。子供の頃から、カリオストロの城やラピュタを何回見たでしょう?(ちなみに僕の理想の女性のタイプはドーラです)。

宮崎さんの記事で、こんな趣旨の話を以前読みました。要約すると「焚き火に当たる顔(頬)のシーンの絵を若手に書かせて、何度やってもいいものが描けない。若い人に聞いてみたら「焚き火をしたことがない」ことが分かる→実際に焚き火を体験させる→頬が熱くなると知る→描く→OK出る。といった話だったように思います。

これを、今時の若い人は焚き火も…と言って笑って収めるのはカンタンですが、そこをキチンとやって行くのは、苦労と熱意とお金、何より「意思」と「時間」が必要になります。

僕は、テレビはニセモノだと思う。グーグルや画像検索で調べた画像や知識はただそれだけだと思うのです。

結論を急ぎすぎました。分かり難いですね、すみません。

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たとえば、僕がアンコールワットの遺跡の話をしたとします。僕が、朝日の中のアンコールワットの水面の色や、小さな寺院の中の話をしたとします、するとこういう人がいます。
「ああ、知ってる、見たよ!知ってるテレビで見たよ」と「うん、そこらへん詳しく知ってる調べたもん、以前行きたいと思って」と、

僕の尊敬する大先輩に、残間正行さんという世界70カ国以上を釣り竿を持って旅した方がいらっしゃいます。残間さんなら、きっとこういうかもしれません、「ああ、アンコールワットのあたりで釣るナマズはね…」

知ってると、知ってるは同じ言葉だけど、違う。

テレビは、見たフリ、行ったフリをさせる機械です。日曜の午前中、ベッキーの司会で世界各地の旅の動画を見ているその60分のうち、20分間は広告です。

インターネットは、知ってるフリ、知ったフリをさせる機械です。深夜に買いたいモノや行きたい場所をどれだけ調べても、品物が届いて、自分がそれを使ったり体験して見なければ本当に「知った」ことにはなりません。

少なくとも、僕は、僕が社長をしている株式会社マツヤマデザインは、テレビだけ見て知ったフリ、ネットを調べて知ってるフリから始まる、デザインの制作はしたくないと願っています。

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研修は、少し大変です。
会社で、少しばかり効きの遅いエアコンの中でパソコンを叩いている方が楽です。

研修は、1月、新年と同時に告げられます。
2016年は1月に、全員バラバラに世界のどこかに行ってもらう!と宣言しました。

2017年はこんな感じでした。
「今年の研修は、携帯の届かない、南アルプスの山奥でテント生活をする、一人一つのテントで一週間フライフィッシングをしたりキャンプ!一週間分の食料などは全員自分のものは自分で用意するように」。

自分のは自分で…?

アウトドアには慣れたスタッフですが、一週間、標高1500mのところで自炊テント生活なんてしたことがない人ばかりです。
今回研修初参加のオオバさんに至っては一年ちょっと前まで、東京の目黒で働いていたアウトドア初心者です

世話して連れて行く人はいない。
一週間、ここで生きる道具を考え、揃え、支度をして、自分で荷物を詰めて運び。そこで暮らす。
そこで過ごす時間を想い、想像し、用意する。

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標高1500mは、僕たちが暮らす場所より、温度は約10度低くなります。異世界です。夏でも夜は冷えます。
一週間、冷蔵庫もないテントで、常温で保存が出来るものだけを食べる。

その状況下で、スタッフ全員で力を合わせ、「楽しく」「仲良く」「個々に有意義に過ごす」それが研修です。

いつもよりも、厳しく、初めての条件下で、行ってみたい、行った事のない場所に対応すること。
「人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる」とディオ・ブランドーは言いました。
だとすると、「安心と安全な日々の日常を離れ」初めての環境下で「不安や恐怖を克服して安心を得る」こと

それは、つまり「旅」です。

決して、成果が保障された、「観光旅行」や、ましてや「慰安旅行」ではありません。

やったことのない事をやると「やったことがある人」になります。
成功してもしなくてもです。
テレビで見たことがある人ではありません。その身と心でチャレンジした人です。

今回、株式会社マツヤマデザインの研修に参加したスタッフ達は、「南アルプスで一週間テント生活したことある人」になりました。

じゃあ、それがデザインの役にどう立つのさ?と聞かれたら?
きっと僕たちはこう答えるでしょう。

「さぁ…?」と。

でも、きっとその顔は笑っているはずです。

答えなんて今は出ない、でもいつかきっと答えは出ます。
僕たちは急ぎません。

子供の頃読んだ、ミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる「灰色の男たち」が少しづつ見えてきた気がします。
僕たちの「生きている時間」の使い道を、テレビを見ている事に時間を使わず。

僕たちプロにとって、デザインすることは働くことです。
働くこととはお金を稼ぐことです。
稼いだお金をどう使うのか?それも学ぶべきです。
正しくお金を稼ぎ、正しくお金を使う。

それを学べるからこそ、僕は会社こそが最終的な「学び・教育・成長」の最後の場所だと思っています。

現実の世界は広く、世界は本当に素敵です。

ホントに行った、ホントにやった。

そのラベルを世界地図に貼っていきたく思います。