2021年5月31日
【「アウトドアの学校」がくれたもの】
【なぜ「アウトドアの学校」をやるのか?】
僕はデザインの会社を経営しています。おかげさまでデザインのお仕事を頂いています。会社を創業して14年になります。
最近、メロンの温室でメロン栽培にチャレンジしています。今朝は9時から温室の中で汗びっしょりかいて苗の調整作業を教えてもらいました。
先週の水曜日「アウトドアぐるぐる回転寿司」で20名の受講生がきてくれました。土曜日、日曜日には「アウトドアの学校」の年間を通して行う最大のナンバーシリーズの二回目、三回目の講義がありました。
土曜日はギア講座として午前中3時間、僕は15名の生徒にアウトドアについてや、その道具のこと、アウトドアブランドの選び方、そのブランドの起源や特徴や買う時の秘訣などを講義しました。
ギア講座は、コップやバーナー、テントやライター、レインウェアまで、3時間やります。何から何まで話します。触ります。現物を実際に見て触るのが大事。
学校だから真剣に勉強したり、宿題も出ます。
午後はゼキさんの野外カメラ講座。
日曜日は選択の部活動として、登山部とフライフィッシング部に分かれ、僕はフライフィッシング部として一日、会場のセッティングとインストラクターとして、朝8:30から陽が落ちる20:00まで川にいました。
アウトドアを楽しむには、いろいろな道具が必要です。
「ぐるぐる回転寿司」では20人分5種類の講座を体験する為の、テント3つ・タープ3つ、椅子20人分、テーブル5台、ペグ50本、焚火台やコップや薪や安全を確保する器具を、アウトドアの学校では、土曜日のギア講座の為の、バーナー各種やレンタル希望のザック6セット、レインウェア7名分。
日曜にフライフィッシングを楽しむ為の参加者6人分のウェーダーと言われる胴長靴と竿10本、リール7個、屋外で開催する為の椅子10名分、テーブル、フライフィッシングの講義をお願いする講師への依頼と内容の調整、機材の打合せ、講義会場にするキャンプ場での場所確保、管理釣り場である川の予約、フライやフロータント、アウトドアギア講座の資料1人10枚×15名分の資料のプリントアウト、フライフィッシング講義で使う資料1人15枚×6名分の資料のプリントアウト(合計240枚!データを確認し、プリントアウトするのに2時間かかった(笑))
これらのどれか一つ欠けても「私のものが無い」と受講生が悲しんだり、講義に支障が出たり円滑に運営出来ません。
今日、温室から帰り、事務所について、車に積み込んだ山のようなアウトドア道具を、三階の「旅する会社」に運び込み、濡れたウェーダーを干し、マツヤマデザインでデザインの確認や写真のチェックと月末の請求書を作成し、月末の振込みを終えました。
今日、打合せとテントを借りに来たオオムラに「めっちゃ顔が疲れてますよ」「ヒゲに白髪そんなにありましたっけ?休んでますか?!」と言われました、うん、身体がなんか重い、背中も痛い。
そういえば、今週の土日も休みは無かった。来週の土日は、炭焼の杜で、フライフィッシング教室をお手伝いする予定なので土日はボランティアスタッフやってキャンプするつもりでした。
そうよね、普通の人は、月曜から金曜まで仕事して、土日はなんか、自分の好きなこととか、マッタリしたり、昼寝したり、カフェでお茶したり、テレビ見てごろ寝したり、映画見たり、「休んで」いたり、「身体を休めて」いるのかもしれぬ。
そういうことは最近した覚えがない。
月曜から金曜まで、一緒に仕事してるマサも高野も、金曜に「疲れたねー、やっと休みだね」とか言ってる。僕は「土日、アウトドアの学校なんだわ!」と言って、朝から晩まで野山で歩き回ったり、講義したりしてる。
そういや、疲れたな…。
そう思ったら、
「なんで僕は、『アウトドアの学校』なんてやってんだろ…」
と、自問自答しました。
うむむ、
そもそも、仕事じゃない、やらなくても誰も怒ったりしないのに、
参加費として、お金も頂くけど、そのお金で、道具買ったり、3階の機材置き場の家賃払ったり、フィールドのさくら咲く学校という廃校の桜の大木を護る桜基金や、炭焼のアマゴの放流基金に寄付しちゃってる。
そんなことを、休日を潰して、もう9年もやってる。
なんでだろ…。
そんなことを考えながら、事務所のソファで、伸びをしたら、土日の富士登山やフライフィッシングの講義を体験した生徒さんのフェイスブック記事が次々にアップされてきて、それを見ていたら、「なんでアウトドアの学校をやっているのか?」の答えがなんとなくわかってきました。
カンタンなことでした。
みんなが笑うから。
出来なかった事が出来るようになる、その嬉しさ。
知らない人と出会い、一緒にワクワクする夜や不安な朝を迎え、一緒に汗をかき、「うまくいかない事」を体験し、一緒に乗り越え、仲間になる。
知らないところに行って、やった事の無い体験をする。
みんながはしゃいでいる。のを見る。
その嬉しさ。
卒業した生徒がOB・OGとして参加してくれて久しぶりに会う。
仲間と再会する嬉しさ。
今年も受講生15人は、何かを学び、そして、きっと人生が少し変わる。
僕はそれがとっても素敵な事だな…と思うのです。
アウトドアの学校は、僕にいろいろな「こと」をくれました。
渉さんやゼキさん、チャーハンさんやよしむーさんをはじめとするアウトドアの仲間とチカラを合わせて講義を組み立てる楽しさを。
再会すると嬉しそうに手を振って笑って近づいてくる100名近い「アウトドアの学校」の卒業生を。
キャンプ場をプロデュースしてくれませんか?という最初の依頼のキッカケを。
アウトドアの専門家として「キャンプ大辞典」という本を書きませんか?という小川ましろさんからの依頼を。
「アウトドアライフプロデューサー」としての肩書を。
NHKの美の壺に出てくれませんか?という問合せを。
忘れられない、アウトドアやフライフィッシングの幾度もの旅を。
温室でメロンを栽培することに挑戦するのもアウトドアなんだ、という想いを。
アウトドアを通じて講演をしてくれませんか?という幾度もの問合せを。
この9年で出会ったたくさんのアウトドア仲間と過ごした時間を。
こころから信頼できる、かけがえのない仲間を。
カッコいい男の素敵な行動と、優しくて可愛らしい女の子の笑顔を。
憧れながら後を追った、忘れられない背中を。
山の中で、川で、デカイ声で腹の底から大笑いする瞬間を。
僕はいま「生きているんだ」という実感を。
たぶん、週末にずっと家で寝ていたり、一人きりで山に行っていたら、僕の人生は全然違っていた。
アウトドアの学校に入学した生徒さんに僕は第一回講義でこう言っています。
「アウトドアの学校に入ると、人生が1度変わるんだよ」と。
でも、気付きました。
「アウトドアの学校」で人生が変わったのは僕でした。
いつも、僕と遊んでくれてありがとう。
来月、2021年のアウトドアの学校の卒業式があります。
心からの感謝をこめて、学校を安全に、楽しく運営していきたいと思いました。