アマゴの発眼卵の放流を行いました。2017.11


2017年11月29日、炭焼の杜キャンプ場の前を流れる渓流に、「アマゴの発眼卵(孵化直前の卵)」1万匹の放流を行いました。

天気も良く、色づいた葉っぱが舞い落ちる中、順調に作業を行うことができました。

炭焼の杜明ヶ島キャンプ場は、2017年今期、予想を上回る入場者をお迎えすることが出来、11月末で冬季閉鎖を迎えます(ライフラインである水道が凍ってしまうためです)

2018年、来春の再会に向けて設備を補強すると共に、炭焼の杜キャンプ場の前を流れる渓流に、「炭焼の杜 フライ・テンカラ キャッチ&リリース専用管理釣り場」を作ります。

横を流れる川に魚を保護し、増やす目的の為のアマゴの自然渓流で完全キャッチ&リリースの釣り場を作り、魚を保護し、子供たちに生態系の大切さを教える場を作ろうという活動を始めました。

大人達は、楽しみながら釣り、一匹も魚を殺さない、逆に釣りをすることで、魚を保護し増やす基金に協力する仕組みを作ります。
子供たちは、魚を放流したり、時には自分でフライで釣り、自然のサイクルを学び、「奪わず、護る」自然との付き合い方を学べる場です。

そのプロジェクトの呼び名を「炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場 魚の頭を踏んで歩くプロジェクト」と名づけました。
(当プロジェクトの趣旨や願いはこちらをご覧ください)

その話を掛川で話したところ、JFFのキクチさんが協力してくださり、先日、ジャパン・フライフィッシャーズ(JFF)の名誉会長の佐藤盛男様に炭焼の杜キャンプ場に来訪頂き、魚を自然渓流の中で増やす為の発眼卵放流のやり方のレクチャーと現地を視察して頂きました。

直に素晴らしい先達である佐藤様に教えを請う機会を頂き、本当に貴重な経験をすることが出来ました。

今回の放流では申請書を出し、バイバードボックスの使用許可を無事いただくことができました。

このボックスが卵が稚魚になるまでの間、カニなどの敵から保護し、ゴミが入るのを防ぐ役割を果たします。

1つのBOXに卵が500個になるように分け入れます。


ボックスをかごに入れ、周りに小石を敷き詰め、先日、視察の時に指導のもと選んでいただいた場所に、流されないようにしっかりと設置して完成です。


無事に成長してくれることを願いながら、川を後にしました。

発眼卵放流のメリットとして、このようなことが挙げられます。

・卵から川で育つことで、より自然に近い環境で育った魚を増やすことができます。

・卵の栄養をすべて取り込んだ魚だけが、バイバードボックスを抜けられる仕組みになっているため、外敵から守られながら成長し、川に出ていくことができます。

設置した卵は、1ヶ月ほどでボックスから出ていく予定となっております。

魚を護り、「魚の頭を踏んで歩けるほど」の川にするためには、一年や二年では出来ませんが、こうして夢見たことを実現して行くスタートを切れたことは本当に嬉しいことです。

私たちが釣りを楽しんだり、川で遊ぶことができるのは、きれいな川が残っているからこそです。将来の自然のために、今出来る事を実行していくということは、とても大切なことだと思います。実際に放流を体験してみて、自然を守っていきたいという気持ちがより強くなりました。来年に魚の成長が見られることを祈ります。

多くの方にご協力いただき心から感謝いたします。
また、今後ともこのような活動にご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

アウトドアの学校 2017 第四期 – 第三回体験登山の様子について

11/25(土)アウトドアの学校 第三回目は体験登山です。登山と言っても辛いものではありません。

「頂上を目指さない 富士山さんぽ」の著者、鈴木渉さんの案内による気持ちのいいハイキングの様子を、キタザワがレポートいたします。

■5:30
掛川市役所集合

登山の朝は総じて早いものですが、この日も真っ暗な時間から集合です。

今日への意気込みか、「おはようございます」の声も力強く聞こえる気がしました。

ここから講師・スタッフの車3台に分かれて水ヶ塚駐車場へ向かいます。

日が昇り、富士山の姿が車から見えたときの「きれい!」「上は寒そうだね」と期待がふくらみます。

■7:30
山宮浅間神社

浅間大社の元となった神社で今日の無事を祈ります。

階段の上まで登ると奥に富士山の姿を見ることができ、写真を撮っている生徒さんもいました。

講師の渉さんが、神社の石の由来なども教えてくれました。

■8:30
水ヶ塚駐車場に到着

現地集合の生徒さんはここから合流です。

駐車場から見える、青空に浮かぶ富士山に「ステキ!」「大きい~!」「きれい!」と、不安よりも楽しみな声が聞こえてきます。

■9:15
登山口で説明を聞いた後、いよいよ登りはじめます。

登り始め早々にやまぶどうを見つけ、みんなで一粒ずつ食べながら「すっぱい!」「うめぼしよりすっぱい気がする」と感想を言い合います。歩いていて「きもちいい」「空気がいい」という声がありました。

霜柱も立派で「これはどうやってできているんだろう」「なんだか食べたいね」「鍋に入ってるアレみたい」と盛り上がり、写真を撮っていました。

ゆったりと散歩するように登ります。ほとんど横移動で、傾斜がきついところはごく僅かなので辛くありません。

講師の渉さんが、山の植物の豆知識や、見落としてしまうような場所にある大きなつららや、場所についての説明を、時々止まりながら聞かせてくれます。

写真を撮るために止まることも何度もあり、皆さん疲れることなく前に進んでいました。

まつぼっくりや曲がった木の枝、入浴剤のにおいがする木の葉っぱが、前の人から回ってきて、「これはなに」「ほんとに匂いがする」「これはレモンみたい」と、楽しげな場面もありました。

不思議な形の倒木の前でも「ひつじがいる」「リャマじゃない?」と、立ち止まってまじまじと観察をします。

みんなで何にも音を立てずに、山の無音を楽しんだりもしました。

■10:40
小休憩

リュックをおろして、軽く休憩です。チョコを回したり、柿ピーについての話が聞こえてきましたよ。お菓子についても「でもお高いんでしょう」のワードを聞く事が出来ました。

歩いている途中には、道具の説明もありました。ストックの正しい持ち方、紐の持ち方で腕の疲れが全く変わること。高いストックと安いストックの機能の違い。ハイドレーション(ストロー付の水筒のようなもの)の正しい使い方。

なんでもすぐに聞けるのがアウトドアの学校です。

■11:30
ちょっと早目のお昼です。

山ではおいしいカップラーメン、お湯を入れるだけのカレーや温めるだけのご飯、手作りのお弁当、フリーズドライの豚汁についておいしさを語り合ったりしました。

カメラ講座の不思議写真を休憩中に教わりながら、技を身に着けている生徒さんもいましたよ。

■12:20
歩き始め

山で必須の地図について、講師の渉さんから説明がありました。地図にもいくつか種類があり、見ないと覚えないこと。見て慣れていくことが大事だということです。

しばらく歩いてから、四辻への傾斜を登ります。森林限界に向かうためどんどん木が低くなっていきます。

「ここでみなさん振り返ってみてください」

その言葉で後ろを見てみると…

■13:20
四辻に到着!

伊豆半島から房総半島まで見渡せる、高いところに来ていました!

数秒眺めて広い場所に移動したら一休み。同じ景色なのにステキすぎてシャッターを何度も押したり、動画を撮ったり、みんなで寝転んで空を見てみたり…

「背中で富士山を感じてみたい」今回の名言です。

実はこの日の2日前に講師とOGの方々が同じ場所に来ていましたが、ガス状態で右も左も真っ白でした。山の天気は差が激しいですね。

「一昨日の動画を見て身構えていたけれど、今回のコンディションに口角があがりっぱなしです!」との声もありました。

みなさん座ったり寝転がってみたり楽しく話したり、もっとここにいたい!という雰囲気でした。

■14:10ごろ
そろそろ下山

下りでも、木についた鹿の角のとぎ跡を見つけたり、周りを見つつ歩きます。

私のCチームでは、さわり心地のよいコケを見つけるべく色々なコケをさわりながら「これはフカフカでいいね」「こっちは固い」「隣にあるのに固さが全然違う!」と、盛り上がっていました!コケにもいろいろありますね。

途中小休憩をはさみ、ゆっくり下山しました。

■16:30
水ヶ塚駐車場

同じ場所までぐるっと歩いて戻りました。最後は全員にハイタッチ!皆さん無事に帰ってくることができました。

駐車場から見る富士山は、夕方の光の中、どっしりとした影ができて力強く見えました。

■19:30ごろ
掛川市役所 まとめ、解散

今回の登山の感想です。
「楽しかったです」
「幸せでした」
「めちゃくちゃ楽しかったです」
「良かったです」
と、皆さんにっこりしていました。

最後に講師からこんな話がありました。

山は、楽しみ方を教えてもらう人がいればこそ楽しいものです。何も知らない状態で行っても、ただ道があるだけ、野原があるだけ。誰に教わるか、どう楽しむかで変わってしまいます。

また、仲間と登るということも、より楽しむための方法です。一人で登る良さはもちろんありますが、仲間と一緒だとより楽しくなることがたくさんあります。

素晴らしい天気でしたが、これが山を好きになるきっかけになってくれたらうれしいです。

アウトドアを楽しむことが人生を楽しむ方法の一つになってくれたらと思います。

今回はとても運のいい快晴での山歩きを体験でき、たくさんの歓声を聞く事ができました。

「こんな景色を見れることは一生に何度もないと思います。」この言葉通り、かけがえのない体験だったなと思いました。

「楽しい仲間と登れたこと」「何気ないことから見つけ出された新しい発見」「教えてもらったこと」「見たという事実」

得られたものがいくつもありました。