「妖怪の講義」タカノの研修レポートです。
毎年恒例5月の社員研修キャンプ、
今年はいつもの「秋葉山キャンプ場」から場所を変え、
掛川市の「炭焼の杜 明ヶ島キャンプ場」で研修を行いました。
そして今回のテーマは『妖怪』です。
研修の3日前、松山さんからこんな話がありました。
「今回は妖怪についての講義をします。きっとデザインをする上で役に立つから…。各自、自分の思う妖怪を事前にレポートにして提出してください。ネットや本で調べずに書いてね。」
はてさて、うーん、妖怪についてね~?
河童、天狗、座敷わらし…。何だろうね、妖怪って?
頭の中でグルグル思考を巡らせながら、自分なりに考えをまとめてみました。
これが研修前の「僕が思う妖怪」です。
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妖怪は人の心理を具現化したモノ。
昔の人は恐れや災いなど、またその逆で良い事も、
目に見えない事、見えにくい事を妖怪のせいにして、イメージ、認識の共通化を図った。
また、それを利用して商売や政治を行い人の心理を操るのに使われたのが妖怪。
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そして研修当日。
早めの夕飯を終え6時を過ぎて日が落ちてきた頃、妖怪の講義が始まりました。
はじめに各自が自分の思う妖怪を発表しました。同じ様な意見がでたり、まったく違った捉え方があったり、人によって様々です。その後に松山さんから妖怪についての説明を聞く流れで講義が進んで行きました。
妖怪にはいくつかあって、物語としての妖怪や、躾や戒め、神様と同一視された妖怪。
また、民間伝承としての妖怪や、山の民など人を妖怪と見間違えていた時代だったり、科学的に証明された現象が昔は妖怪の仕業と考えられていたり、キャラクターとして人が作り出した妖怪があったり、「妖怪」って言葉も歴史は意外と浅く江戸時代後期からだそうです。
ひとくくりに妖怪と言っても認識は様々で、自分が最初に思い描いた妖怪像もこのひとつになるって事なんだと分かりました。
「では、なぜ?妖怪が生まれたのでしょうか?」
講義は続きます。
人は、美しい、楽しい、綺麗といったモノが好きです。
そして、そういった景色やモノを見ると感動します。
これは、温度計のメモリ部分で言うところのプラス側です。
反対のメモリ、マイナス側は、
嫌だ、怖い、悲しいなどの感情です。
このマイナス側の理屈や科学で説明できないもの、
ホウキとチリトリで掬いきれないゴミやチリがごちゃ混ぜになった様なもの、
よく分からないものに言葉と絵をつけたのが「妖怪」なんだそうです。
なるほど、
だから妖怪についての認識は様々で、よく分からない恐ろしいもので、
時代とともに変わったり消えてしまったりしたんですね。
「では、なぜ?妖怪とデザイン?」と言う部分です。
松山さんの師匠である塩田先生がおっしゃった言葉を教えてもらいました。
「デザインは、英語でいうと、プラン、コンセプト、理屈を超えた、感覚的なもの」なんだそうです。
たしかにそう考えると妖怪とデザインの関係性が見えてきます。(ガッテン!)
デザインは、温度計のメモリのプラス側にあります。
理屈ではなく、美しい、楽しい、綺麗といった心の部分。
このメモリを大きくするには、メモリの振り幅を大きくしないといけない様です。
マイナス側を見ないと、感じないとダメだという事です。
昔は、美しいと感じる体験や、妖怪のモトになった不思議な体験が身近にありました。
気づきやすい環境にいたからです。それは自然が側にあったからだです。
最近では便利と引き換えに感覚にうったえることが少なくなった様に思えます。
「コスト(時間)をかけないと感じることできない時代になった」と教わりました。
マツヤマ・デザインの研修で、自然が豊かな場所に行くこと、自然の中で体験することに、今回の講義を受けてあらためて納得しました。(ガッテン!)また、そんな所へ毎度毎度行かせてもらっている事にも本当に感謝です。
温度計の振り幅が大きくなる様、今までイヤで見ないようにしていた事、マイナス側のメモリに目を向け、時には怖いもの見たさでもいいから好奇心をもって過ごしていこうと思います。
以上、タカノのレポートでした。