相良海岸近辺から掛川駅南口まで
私の暮らす相良町は古くから塩の道という名の古道が続いている。かつて沿岸部の海水を釜で煮炊きし作られた塩を、長野県塩尻市まで物売りが運び山間部と交流の糧となった道のことは小さな頃から知っていたが、昔の人のように歩いていくのはかなりの労力だし険しい箇所もあるだろう。そこで自転車で旧道の雰囲気を感じながら掛川駅南口まで走った。
出発は相良海岸。天気は少し曇り空。水平線の向こうは御前崎港が望める。ここから塩を運んだ歴史を思わせてくれる場所だ。相良の市街地から県道69号線を牧之原台地に向けて上っていく。中腹で一休みすれば茶畑越しに駿河湾が顔を出し見晴らしは最高だ。
「少林寺」の前を下り、菊川方面へとハンドルを向ける山間いに目をやると、掛川市のシンボル「粟が岳」の茶文字が曇り空でも見ることができる。
雲間からお日様が姿を現しはじめ菊川沿いの測道はのんびりした雰囲気。辺りにはレタス畑と田園が広がり、パッチワーク模様を織りなしている。
野良仕事の手を休める人に挨拶を交わしつつ「応声教院」を過ぎればそこは掛川市に入る。脇道に入り、旧道の雰囲気漂うレンガ造りのトンネルをくぐると、そこはもう掛川駅南側近辺。車の往来に少し気を使いつつペダルを漕げば、そこには終点の大きな黄金色のモニュメントが出迎えてくれた。